海外ミステリーを読む(その38) [└ミステリー]
コーネル・ウールリッチ(1903〜1968)の『喪服のランデヴー』です。
発表年は、1948年。『Rendezvous in Black』 316P
コーネル・ウールリッチはウィリアム・アイリッシュ(幻の女など)の別名義。
前にご紹介した『黒衣の花嫁』と同じプロットになっている。
だからといって、映画の続編のような薄味は微塵もありません。
犯人捜し、謎解きミステリーと一線を画すサスペンスミステリ。
すべては、ひとつの壜がはじまり。
ある男の愛する娘の命を奪う。男との待ち合わせの場所で。
男は来る日も来る日も、来るはずのない娘を待ち続ける。
、、、そして、男は突然に姿を消す。
復讐という狂気が、ひとりの天才的殺人者を作ってしまった。
追いかける警察。
なぜ狙われているかすらわからない被害者。
被害者に合わせて、5つのエピソード(ランデヴー)形式になっています。
殺人鬼の狙うのは、憎む相手が最も愛した人を殺す事。
このへんが狂気なのですが、その手口は巧妙かつ秀逸。どう考えても、プロの殺人者のようですが復讐の怨念は、何でも可能にするのでしょうか。
警察すら把握してないことまで知っているというのは、ちょっとお手持ち気味でリアル感に欠けますが、話としてはおもしろい。
5つとも殺人の手口はかなり違いますが、共通しているのは、「愛と愚かさ」を利用すること。いやー恐ろしや恐ろしや、、、、、、、、。
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