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海外ミステリーを読む(その47) [└ミステリー]

物語の主人公に感情移入する。

これって、本に限らず、映画、ドラマでもありますよね。
主人公に成り代わって、涙するとか、愉快、爽快、、、怒髪天、とか。

こういう場合、主人公はいいやつ。
読者にとって好感の持てる相手であるわけです。

たとえ、悪党!でも、ルパン三世やらゾロみたいに、「そんなに」悪どくなくて、ヒーロー然とした場合などでも、同じなわけ。

ところが、
性根の腐った「人非人」が主人公になると、これは、もう、話が違う。
この作品の主人公も、ほんとに、どうしょーもないやつ。
それに騙されて、前が見えなくなっている女の子にも、イララ、イララ。

「このやろーーーーー」みたいに、本に向かって、突っ込みを入れ、神の目線で怒り心頭となる。

ま、それが一種のストレス解消にでもなるのか、物語自身は面白い。
さらには、その「悪党」が、どうなるのか→無事じゃ済まさないぞ、作者!!!!→が楽しみで、ページを繰っていく。

というのが、この作品を読んだときの正直な心の動きですね。

アイラ・レヴィンの『死の接吻』です。
発表年 1953年 (早川書房)

ミステリージャンルとしては、変形の倒叙とサスペンスのミックス。
書き始めから、主人公が犯人なのは分かっているのですが、ちょっと工夫がしてあって、本当に誰が犯人なのかは、中盤以降でないとわかりません。
犯人がわかってからは、完全なサスペンス。

犯人(主人公)の最期がどうなるかを見届けて、本を閉じましょう。
ふー、満足。

image531.jpg

アイラ・レヴィンは『ローズマリーの赤ちゃん』の作者でもあります。
映画も作られていますが、原作とは別物。
この原作のちょっと変わった倒叙の演出を、
映像に表現するのには、無理があるのでしょう。
本で楽しんでくださいね。




死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1)

死の接吻 (ハヤカワ・ミステリ文庫 20-1)

  • 作者: アイラ・レヴィン
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2000
  • メディア: 文庫



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コメント 2

翠

お久しぶりで〜す^^
復活されたんですね〜♪
by (2008-06-07 02:27) 

YumYum

翠さんへ、いらっしゃいませ。

いやー、面目ない。(^_^;)
間はあくでしょうが、マイペースでやっていこうと思います。
by YumYum (2008-06-15 10:36) 

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