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アナログのぬくもり [JAZZとオーディオ]

世はデジタル時代
テレビ放送波は2011年には、すべてデジタル化
デジタル化はいいのだけれど、この『すべて』というのが凄い。

音楽の世界はというと、ipodをはじめとするデジタルプレイヤーもそうですが、
今ではちょっと古い感じさえするCDもデジタルなんですね。

ところが、アナログレコードもしっかり生き残っている。
レコードしか聴かないという方も、たくさんいらっしゃいます。

で、なぜ、今だにアナログレコードなのでしょうか?

ジャケットの大きさ、質感、なども要因ですが、
「音が違う!」というのが、そのもっとも大きな理由でしょう。

では、ほんとに、音は違うのか?

これは、CDが生まれた頃からの命題でもありまして、
数々の検証や、識者の意見など、いくつも表明されていますが、
なんとなくわかるけど、なんとなくわかんない的な所もあります。

で、先日、アナログレコードの製作過程を紹介するテレビ番組があったのですが、
なかなか興味深い内容だったのでレビューしようと思います。

舞台は、
アジアで唯一のアナログレコードの生産ラインを持つ「東洋化成株式会社」

元の「原音テープ」からレコードを作るためのカッティングルーム
ここのテーププレイヤーには録音消去ヘッドがありません。
そのかわり、再生ヘッドが2つ備えてあります。

二つの間に、一秒間のタイムラグを付けてあります。

一秒前に出た音はコンソールで音量音質の調整がされたあと、カッティングマシーンに送られ、横ぶれ(幅)、縦ぶれ(深さ)を制御します。
たとえば、大きな音がきた場合には溝と溝の間隔を広げなければいけないので、あらかじめ、その情報をカッティングマシーンへ知らせる役割があります。

一秒あとに出た音はカッティングマシーンへ行く前に、
ドライブアンプに送られ、最適な録音特性(RIAA)に調整されます。
この音が、実際にカッティングされる音となります。

ここで、実験。
アナログとCDで音は違うのか。
題材は、日本で一番売れたレコード『およげ!たいやきくん』
実はこのレコードもこのカッティングルームで作られた。
曲は『いっぽんでもにんじん なぎら健壱』 およげ!たいやきくんのB面

ん〜、たしかに少し違う。
あいまいな表現ではありますが、アナログの方が暖かみがあるような。
放送波を通してなので、あやしいものですが、、、。

人間が聞き取れる周波数は、約20Hz〜20KHzとされています。
CDはこの範囲の音だけが収録されている。
アナログはその先、人に聞こえない部分も入っている。
理論的には、聞こえる部分だけ入っていればいいわけなんだけど、
そこに何かが違ってくる。

次は、
CDに入っている音をアナログレコードにカッティング
理屈はよくわからないけど、確かに違いが。
出演者のコメントは、
1.CDは天井を感じるが、アナログは自然
2.中低域が膨らむ
3.タップリ感が出る
4.ビデオ素材をフィルムに落とした感じ
などでした。

ここで、レコードの作られ方

ラッカー盤(アルミ板の表面に樹脂をコーティングしたもの)
これが最初に作られます。凹ですね。

1MMに何本いれるかを決めます。通常10本くらい。MAXで15.6本くらい。
当然、本数が多い方が長い時間収録できます。

これからマスター盤凸が作られます。
さらに、マザー盤凹が作られ、

さらに、スタンパー盤凸が作られます。
これをプレス工場でプレスします。

材料は塩化ビニール、熱と100トンの力でプレスします。
30秒で一枚レコード盤凹が出来上がり!

比較試聴で、もうひとつ面白かったもの。

アナログレコードの
1曲目(外側)と4曲目(内側)が音が違うのか。
回転速度が一定なので、円周の長さに応じて、線速度(レコード針と溝との擦れ合う速さ)が違う。つまり情報量が違うわけなので、音質も変化します。

同じ曲(演奏)を、外側と内側両方にカッティングしたレコードを聴きます。
はっきりと、違いが分かります!
あきらかに、外側(通常1曲目)の方がハイクオリティです。
へーそうだったのか、これは知りませんでした。
なかなかに、奥が深いものなのですね。



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