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突然、食べたくなるものとは [本のよもやま]

突然、無性に、どうしても、食べたくなるものって、ありませんか?

それは、御馳走ではなく、ごくごくありふれた、なんの変哲もないもの。
むしろ、体に悪くて、味もたいした事ないのに、それは、もう、無性に食べたい。

ほんの、1時間程前、その状態でした。

中島梓女史の『くたばれグルメ』という本を、先日、たまたま古本屋でみつけて(100円だった)今朝、パラパラと読んでいたときのこと。

喫茶店で出てきた、○○○の話が載っていた。

それで、思い出した事がある。

かなり前の事だけど、行きつけの「お好み焼き屋さん」
別に、大しておいしいわけでも、綺麗な店でもない。
鉄板のカウンターだけで、5.6人も入れば、いっぱいになるところ。
ただ、店のおばちゃんが気さくで、安心感があったんでしょう。

他にめぼしい飲食店もなく、店の前に銭湯があったこともあり、
自炊しない日は、湯に行った帰り、ブラッと寄って、おでんをつまみに、
ビールを一本、最後にヤキソバでも食べてというのが定番となっていた。

この店、「お好み焼き屋さん」のわりに、日替わり(というか、きまぐれ)で、いろんな物を食べさせてくれる。
タラの白子が出てきた事もあったし、ボラの刺身のときもあった。
ボラって、釣り人は、釣れても捨てているくらいの魚ですけど、
食べていいものなんですかね。
おいいしいとも、まずいとも、言えない、妙な味でしたね。

で、このお店、その表看板なんですけど、
おばちゃんの名字がひらがなで、大きく書いてあって、
その上に、「お好み焼き、中華そば」と書いてあるのです。

中華そば?
店のどこを見回してもそれらしき設備はないのですよ。
それに、他の客で、中華そばを食べている人を見た事もない。

中止メニューなんだろうと、おばちゃんに聞いたところ、
「あるよ」とのご返事。

では、今日は、それを頂きましょうか、、、、。


出てきたのは、
「チャルメラ」でした。
そう、インスタントラーメンです。

いや、ま、おいしいですよ、はい。

一見の店で、これを出されたら、むかつくんでしょうけど、
この店で、ニコニコしながら、おばちゃんが出してくれるので、
妙に、納得しちゃうんですよね。

でも、メニューならまだしも、
表看板に「中華そば」と書くのは、どうかと思うんですけどねぇ。

ということで、一時間前に食べたのは、
インスタントラーメンでした。
探したら、一個しかなくて、しかも、賞味期限2007年3月2日!

それでも、おいしく頂きました。
、、、、、お腹壊さなきゃいいけど。( ̄▽ ̄;)



くたばれグルメ

くたばれグルメ

  • 作者: 中島 梓
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/02
  • メディア: 文庫


神戸まつり(JAZZもあるよ) [よもやま話]

5月11〜20日
第37回 神戸まつりが開催中です。



特に、昨日(5月12日)は、パレードもあって、大にぎわいでした。

三宮、元町周辺は、どこを見ても、
何か(歌、踊り、演奏、パフォーマンス)やってるし、

パレード待ちのいろんな衣装の人たちが、
群雄割拠、悠然と闊歩しているので、異様な雰囲気に包まれています。
日本の大都市で、
これだけ「祭り一色」になる街も珍しいのではないでしょうか。



神戸らしく、ジャズストリートもあって、
明るい日差しの中、ジャズ演奏もたっぷり堪能できました。



今日の5月13日には、正午から、
神戸各地で、「神戸ジャズウォーク」もありますよ!






究極のJAZZハンドブック [JAZZとオーディオ]

日本のジャズスポット、調べてみるとけっこうあるんですね。
しかも、全国にまたがって。

日頃、こういう雑誌は、まず買わない(というか、売場も見ない)んですが、
ネットの掲示板で、小耳に挟んで、おもわず買ってしまいました。

だって、『究極のJAZZハンドブック』とかが、付いてるとかいうんですから。

月刊PLAYBOY 2007年6月号、No.389 「ジャズ最強読本」特集です。

なじみの店から、名前だけは知っている店、
はじめて聞く店まで、カラー写真入りで紹介されてます。

『ジャズ批評』でも、たまに(ほんとにごくたまに)この手の特集をしますが、
単なるジャズウンチク本より、
こういう生の情報がありがたいんですよね、ジャズフリークとしては。

ところで、PLAYBOY誌とジャズって、けっこう関係あったんですね。

米国版の第1回目のインタビューの相手は、
なんと、マイルス・ディヴィスだったそうですし、
プレイボーイ・ジャズ・フェスティバルは今年で29回目なんだそう。
うーん、勉強になるなぁ〜。


PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2007年 06月号 [雑誌]

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2007年 06月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: 雑誌


海外ミステリーを読む(その45) [└ミステリー]

アガサ・クリスティの『アクロイド殺し』です。
発表年 1926年  440p(クリスティー文庫)


紳士、淑女の皆様方へご注意申し上げます。

あまりに有名な作品であり、
そのトリックのフェア、アンフェアが、物議をかもした作品であるため、
後半部分は、犯人が誰かわかってしまう書き方をしております。

本作品を未読の方は、
この記事の後半部分を読まれない方が、
人生の幸せをひとつなくさない、懸命なことだと思われます。


この作品のどの辺りが、フェア、アンフェアの論争となったのでしょうか?

そもそも、フェアとは、アンフェアとは何なのか?

ミステリー(推理小説)はフィクションなのだから、作者がどのようにでもできるわけです。誰が死に、誰が殺そうが、誰が犯人だろうが、作者の勝手です。

では、ありますが、スポーツやゲームと同じく、あるルール、決め事の上で、自由にやらなければおもしろくありません。

では、そのルールとは具体的には何なのか?
まず、もっとも大事なのは、犯人を推理するのに「必要十分」なデータを読者に提示していることです。もちろん、巧妙に隠しながらですが。

犯人をみつけるために必要な、大事な情報を書かないのでは、どんな名探偵な読者でも、犯人を当てられません。これはまったくアンフェアなミステリーで、ある意味、ミステリーとは呼べないとも思います。
「クィーンの読者への挑戦」は、その作法の大事さを示しています。

そして、その次には、暗黙の了解的事項です。ここはダークゾーンの部分です。

「ノックスの十戒」「ヴァンダインの二十則」などに条文化されています。
ただ、必ずしも守られているわけではないし、守られていない作品にも名作があったりしますので、かなりダークゾーンなわけです。

一番分かりやすい例を挙げると、犯人を推理するとき、まず、容疑者が誰かを決めますよね。こいつが怪しい、という人。その中から犯人を絞り込むわけです。
では、容疑者から外せる人は?

まず、探偵さんです。特にシリーズ物に限りますが、探偵は部外者とみなします。同時にシリーズを通しての相棒もしかりです。
顕著な例は、ホームズとワトソン、ポワロとヘイスティングスなどですね。

そして、この相棒は、多くの場合、探偵に変わり、事件の顛末の記録係となり、
今読んでいる作品を書いている書き手とも重複します。

次には、事件担当の警部、警察官(事件が起きてから登場する人)などです。

次には、古典の場合、大きなお屋敷での殺人が多いわけですが、そこで雇われている執事、家政婦、料理人、メイドなどの召使いの人々。実は被害者と縁籍関係だったとか、お屋敷の主人と密かに結婚していたとかの場合はこの限りではありません。

いつの世も例外は(多々)ありますが、大概の場合、この人たちは、容疑者から外して差しつかえありません。

というか、そうしないと、容疑者が多くなりすぎますし、肝心の容疑者に対する注意力が散らされてしまいます。
上記の人が犯人の作品は、素直に、作者の勝ちとしましょう。

このへんを踏まえて、この作品をみてみます。

(以下、ネタバレ注意!)

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海外ミステリーを読む(その44) [└ミステリー]

ジョン・ディクスン・カーの『猫と鼠の殺人』です。
発表年 1942年  285p

ちょっと変わったタイトルですが、
原題は、『Death Turns the Table』
英題では、 『Seat of the Scornful』となっています。

本の内容をなかなか推察しにくいタイトルに思えます。

カーはたくさんの名作を残していますが、この作品はどちらかというとマイナーですね。
得意の怪奇描写などはなく、シンプルに謎ときです。
ですが、さすがにカーの作品です、見事な謎ときを提供してくれています。

主人公は、冷酷に人を裁くことを信条とする判事。
この判事が殺人事件の容疑者になってしまう。

駆けつけた警察官に、殺された被害者のすぐそばで、
拳銃を握りしめているところを発見されてしまう。

当然、第一番の容疑者(というか、普通なら即、犯人ですよね)なのですが、
そうではない理由が、、、、いや、しかし、、、、でも、、、やっぱり、、違うのか、、、う〜ん。

と、カーと読者の裏のかき合いが始まるわけです。

探偵は、フェル博士。
少々、無理な設定もありますが、シンプルに謎解きを楽しめますよ。

猫と鼠の殺人

猫と鼠の殺人

  • 作者: ディクスン・カー, 厚木 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1981/04
  • メディア: 文庫


欲張りなJAZZ [└JAZZになったら]

アルバム(CD、レコード)というのは、
そのミュージシャンにとっての作品です。


もちろん、その中の一曲一曲、一演奏、一演奏も作品ですが、
どの曲を選ぶか、どの演奏を選ぶか、どんな順番で収録するか、
全体として、どういうテーマを持たせるのか、
ジャケットはどうするか、ライナーノーツは、などなど様々な要素がからみあって、
ひとつのアルバムはできている。

なので、その中のある曲だけを聴いて、終わり、
というのは、本来の作品の味わい方としては、あまりよろしくない訳です。

でも、何度も聴いている、耳タコCDなんかになると、
自然と、聴きたい曲と、飛ばしたい曲って、出てきますよね。

この、寺島靖国氏は、その典型的な聴き方のようです。

このCDは、3曲目だけ。
このレコードは、2曲目のドラム部分だけ、というような、感じ。

それが、エスカレートして、お気に入りの曲だけをチョイスしたCDを毎年(年末頃に)リリースをするようになったのが、これです。
つまり、基本的に全曲、違うミュージシャン(違うアルバム)からのエントリー。

寺島氏のセンス、うーん。
かなり、独断的ですが、うまく感性に合えば、やみつきになるテイストです。

ちなみに、寺島氏は、東京、吉祥寺にあるジャズ喫茶のオーナーです。

寺島靖国プレゼンツ JAZZ BAR 2006

寺島靖国プレゼンツ JAZZ BAR 2006

  • アーティスト: オムニバス
  • 出版社/メーカー: ディウレコード
  • 発売日: 2006/12/08
  • メディア: CD


海外ミステリーを読む(その43) [└ミステリー]

S.S.ヴァンダイン(1888〜1939)の『ベンスン殺人事件』です。
発表年は、1926年。『The Benson Murder Case』 391P

名探偵ファイロ・ヴァンスの初登場作品であります。
それとともに、
アメリカ推理小説の黄金時代を告げる記念碑的作品でもあります。

物語の発端は、題名が示すごとく、
ベンスン氏が拳銃で殺されているのが発見されるところから。

ひょんなことから、事件に関与することになったファイロ・ヴァンスが、死体現場へ行って、5分で犯人を確信する。
→ヴァンスがそう語るくだりが後にある。

この時点で確かに、確証はなくても、いくつかのヒントから、犯人を当てることはできるかもしれない。
→幕開けの細かい描写は注意して読むべし!

しかし、ここからが、ヴァンダインの作風であり、ファイロ・ヴァンスの性格、捜査手法を顕著に現すストーリー展開となる。

警察(大概の名探偵も)は、物的証拠、情況証拠、アリバイ、動機という線から捜査を進める。ごくあたりまえのことなのですが、、、。

この手法がいかに、間違いに陥りやすいか、
あてにならないかをトコトン見せつけてくれます。

たくさんいる容疑者、
アリバイがない、動機は十分、情況証拠もある!
奴に間違いない! ←犯人ということにしても矛盾しないほど条件揃い。

だ、だのに。

フフン! 彼(彼女)では、ありえないね。
だって君、〜じゃないかね。

マーカム検事とヒース部長刑事は、逮捕状を出しかけた容疑者を、
次々にヴァンスに否定されていく。

え〜い!、だったら誰なんだ!言ってみろよ!
とうとうマーカム検事が怒っちゃう。
読者も怒っちゃうぞ〜。じらすな〜。

小説なので、ご都合主義的な部分もありますが、
要は、目先の証拠などに惑わされず、人間心理の動きから見極めれば、自ずから答えは見えてくるということだそうです。

ヴァンダイン第一作、本格推理を十分に満喫できる作品です。

で、次回はカーの『猫と鼠の殺人』

ベンスン殺人事件

ベンスン殺人事件

  • 作者: ヴァン・ダイン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1959/05
  • メディア: 文庫


『ぼんくら』宮部みゆき 下巻 [└いろんな本たち]


前回からの続き。

この作品の楽しみ方はいくつかあるが、そのひとつが「味覚」

『鬼平』にも食べ物がよく出てきますが、この物語にもよく出てくる。
「煮売屋」やら「振り売り」やら、それはそれは、うまそうなのである。
ところてんだの、だんごだの、そばだの、田楽だの。

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『ぼんくら』宮部みゆき 上巻 [└いろんな本たち]

買い置きしてあった本をひょいと手に取って読み始めた。
すると、おもしろいこと、おもしろいこと。
あれよ、あれよと云う間に上下巻を完読しちゃいました。

「花のお江戸」のお話であります。

TVの時代劇ですと、江戸の治安を守っているのは「お奉行所」ということになっている。北町、南町のあるやつ、いわゆる町奉行です。

その長は「お奉行」で、大岡越前、遠山の金さんが有名。
配下に、「与力」という役職があり、さらにその配下に「同心」がいる。
『必殺シリーズ』の中村主水は「同心」
『大江戸捜査網』の左文字右京、井坂十蔵なども「同心」

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海外ミステリーを読む(その42) [└ミステリー]

スミスアンドウェッソン38口径
1932年型モーゼル
コルト45
ワルサーPPK
ウェブレイ45
サウアー765

この作品に出てくる「銃」の名称である。


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